彼らは普通の人間ではない。
ある者は己の職業に誇りを持ち、ある者は己の職業を嫌っている。
彼らが捧げるのは幸せか、不幸か
悲しみか、喜びか
彼らの物語の幕が開く――
職業人達
時計屋
(時計を、時間を売る時計屋の三つの物語)
鍵屋
(鍵を売り、ドアを受け取る鍵屋の絶望と希望の物語)
門番
(あなたの心を守る門番の強く悲しい物語)
※やや流血表現アリ
眼鏡屋
(全てを見通す眼鏡とその先の物語)
人形屋
(人形を作る少年と人形の物語)
平和屋 戦争屋
(平和と戦争と無の物語)
刃物屋
(人を傷つけ癒す道具の物語)
本屋
(全てを書く本の物語)
彼らは『人の思い』から生まれました
『時間が欲しい』
『人の心が知りたい』
些細な願い
ですが
到底叶わない願い
そんな願いを叶えるため
彼らはこの世に生を受けました
ですが願いを叶えるための代償は大きく
人々は代償を払うのを嫌った
代償を払ったものは不幸になった
それは彼らの責任なのですか?
本当に彼らに願いを叶えてもらった人に
責任はないのですか?
彼らは人の勝手で生まれ
人の勝手で憎まれる
逃れられない職にさいなまれ
逃げられない職に押しつぶされ
それでも彼らは歩く
願いを叶える
それが彼らの存在意義だから